小児矯正は装置をつかったメカニカルな治療とトレーニング主体のバイオロジカルな治療があります。
メカニカルな治療とは装置を使ってネジ、ばね、ゴム等の力で歯を動かす方法です。一方バイオロジカルな治療とはリップシール*、食事*、舌の位置、悪習癖の除去、チューブトレーニングなど自分の力で治すことです。装置に目がいきがちですが、じつはバイオロジカルな治療が主体です。歯がきれいに並んだあと、後戻りをしないように、しっかりと上下の歯がかみ合うためには必要です。装置をつかえばそれらしい歯並びにはなりますが、それだけでは、上下の歯はうまくかみ合いません。特に食事とリップシールに気を付けてください。口をとじて鼻呼吸すること、舌を上顎に付けておくことはとても重要ですです。くちを閉じる習慣をつければ、唇と舌に守られて歯は安定した位置にとどまりますが、口をあけて呼吸(口呼吸)すると力のバランスが崩れて、歯並びも乱れてきます。
* 食事
硬いものを噛むことは顎骨の発育にはよいのですが 現実にはむつかしいので お勧めするのは玄米食です。こしがあって噛む力が必要です。 咀嚼回数もふえるので消化の助けにもなります。玄米にはたくさんの必須アミノ酸が含まれ、腸内善玉菌の餌になる食物繊維も多く含まれます。「一汁一菜」の粗食でも生きてこれたのは玄米の栄養によるところもあると言われているくらいです。まずは玄米の知識を知ってから食べると”かたさ” が ”噛み応え”にかわって美味しく感じれるでしょう。
* リップシール
1.唇をあわせて口を閉じること
2.舌を上顎に着けること
3.上下の歯を軽く触れさせること
このリップシールの3項目は非常に重要です。一見当たり前の事のようですが、今はほとんどのお子さんが意識しないとできません。
この口呼吸の防止は後戻りを防ぐためだけではなく、喘息、アレルギー疾患との関係も注目されています。口呼吸すると、鼻腔というフィルターをとおさず、ダイレクトに、細菌、抗原が喉にとびこんでくるからアレルギーがおきやすいという考え方です。舌を上あごにあてるようにすれば、舌骨がもちあがって気道が開きやすくなります。