小児矯正は装置をつかったメカニカルな治療とトレーニング主体のバイオロジカルな治療があります。
メカニカルな治療とは装置を使ってネジ、ばね、ゴム等の力で歯を動かす方法です。一方バイオロジカルな治療とはリップシール*、食事、舌の位置、悪習癖の除去、チューブトレーニングなど自分の力で治すことです。装置に目がいきがちですが、じつはバイオロジカルな治療が主体です。歯がきれいに並んだあと、後戻りをしないように、しっかりと上下の歯がかみ合うためには必要です。
装置をつかえばそれらしい歯並びにはなりますが、それだけでは、上下の歯はうまくかみ合いません。
中でも重要なのは口をとじて鼻呼吸すること、舌を上顎に付けておくことです。くちを閉じる習慣をつければ、唇と舌に守られて歯は安定した位置にとどまりますが、口をあけて呼吸(口呼吸)すると力のバランスが崩れて、歯並びも乱れてきます。
* リップシール
1.唇をあわせて口を閉じること
2.舌を上顎に着けること
3.上下の歯を軽く触れさせること
このリップシールの3項目は非常に重要です。一見当たり前の事のようですが、今はほとんどのお子さんが意識しないとできません。
この口呼吸の防止は後戻りを防ぐためだけではなく、喘息、アレルギー疾患との関係も注目されています。口呼吸すると、鼻腔というフィルターをとおさず、ダイレクトに、細菌、抗原が喉にとびこんでくるからアレルギーがおきやすいという考え方です。舌を上あごにあてるようにすれば、舌骨がもちあがって気道が開きやすくなります。