妊娠期にクリーニングを

虫歯、歯周病は細菌の感染によって起こります。ではその細菌はどこから来るのでしょう。虫歯菌の多くの場合はお子さんと1番密接するお母さんから感染します。

子供の口腔内細菌のDNAはほとんどが母親の細菌のDNAと一致します。お父さんあんまり関係ないんですね。
しかし子育てする以上感染は避けられません。ではどうするか。口のなかを感染してもいい細菌叢にしておきましょう。

特に妊娠6ヶ月~9ヶ月までの3ヶ月間、ブラッシングによるプラークコントロール、歯科衛生士による口腔クリーニング、CHXうがい薬の使用等をおこなえば、2歳までの虫歯菌のレベルが大きく違うことが解っています。たった3ヶ月間の介入で得るものは大きいんです。

妊娠性歯肉炎も13週頃から始まり、8ヶ月頃にピークとなります。時期的にも重なるので歯肉炎の治療にもなるでしょう。

もっと本質的な効果に関しては、妊娠期にこれらのクリーニングを行なうと早期低体重児出産が約70%減ります。1996年米国のoffenbacherによって報告されていらい、いろいろな機関がおなじ結果を出し確かめられました。最近日本では2007年 熊本 天草地区の妊婦720人を対象にし、同じ結果が報告されています。

妊娠期は歯科治療を安全にうけれるのか、まだまだ十分な知識が広がっていません。これを機会にお口と全身との関係も知っていただいて、これから誕生する赤ちゃんのためにも、上記のメンテナンス(お口のクリーニング)を受けてみてください。