歯の色と変色の原因
歯の構造は、いちばん外側をエナメル質がおおっており、その内側に象牙質、さらに中心部には神経や血管が通る歯髄があります。
エナメル質は半透明の硬い組織で、象牙質は褐色の組織です。
象牙質は一般的に淡い黄色をしているので、エナメル質を通して象牙質の色が透けて黄色く見えたり、エナメル質の表面の凹凸によって光を乱反射することで白っぽく見えたりします。
ちなみに、個人差はありますが、欧米人などに比べ日本人はエナメル質が薄いと言われています。
[変色の種類]
歯の変色についての原因は大きく分けると、外因性のもの(喫煙や飲食物による着色、虫歯など)と内因性のもの(投薬や加齢、神経を抜いた場合など)に分けられます。
外因製のもの→
◎喫煙や飲食物によって、汚れが表面に付着
(カレーやコーヒー、赤ワインやチョコレートなど日常的に口にするものでも色素が歯の表面に付着して変色してしまいます。)
◎虫歯
(初期虫歯は白くにごった色で、さらに進行すると茶褐色や黒っぽくなっていきます。)
◎詰め物や、かぶせ物の変色による変色
(虫歯の治療で詰めた金属が原因で歯が黒っぽくなることがあります。)
内因性のもの→
◎抗生物質
(歯の形成期にテトラサイクリンという抗生物質を服用すると象牙質の変色が起こります。)
◎加齢による黄ばみ
(年とともに象牙質の色が濃くなることと、食事などによってエナメル質が薄くなり、歯が黄ばんで見えるようになってきます。)
◎神経を取った後の変色
(神経の取り残し等で、その取り残した神経が腐って変色を起こします。)
◎フッ素によるもの
(高濃度のフッ素により、軽度の場合では歯に白斑ができたり、重度の場合は黒褐色に着色します。)
歯科助手 藤本