患者さんから、「歯が伸びた気がする。」という質問を時々いただきます。

以下のような場合、歯が伸びたように見えることがあります。

間違った歯磨き法

ブラッシングに力が入りすぎて、毛先が歯肉を傷つける方向に向いているとき。健康な歯肉でも、退縮して、結果的に歯が伸びたようになってしまいます。横に大きく振動させる歯磨き法（横磨き）のときに多いようです。

歯周病が治っていくとき

歯周病によって歯を支えている骨が溶け、その上をプヨプヨした歯肉が覆っている場合、その原因である歯石、歯垢を適切な方法で除去し続けると、プヨプヨした歯肉の炎症が、改善に向かって引き締まってきます。そうなると、すでに歯を支えていた骨がある程度溶けてしまっているので、歯肉が落ち、歯が伸びたようになります。この場合は歯周病の治癒過程にあるといえます。

歯周病の末期症状

歯を支えている歯周組織の破壊が極度に進むと歯がグラグラと動きだします。
そして、下の前歯は舌の圧力で前上方に押しやられて歯が伸びたようになってきます。
歯と歯にすき間があいてくると、かなり重症です。

歯石の除去や歯周病予防のためには、定期的に歯科医院でのメンテナンスをおすすめします。

（画像は日本歯科医師会資料より）

歯科技工士　武　千陽