歯根破折
【歯根破折とは?】
歯茎の中にある歯の根っこの部分(歯根)が割れたりかけたりした状態を歯根破折(しこんはせつ)とよびます。
◆歯根破折の症状
①歯がしみる、痛い
神経が残っている歯にひびが入ったり、割れたりすると歯がしみます。
割れているところから神経に細菌が感染し、強い痛みが出ることがあります。また、噛むたびに割れているところが動くために痛みが出ます。
②歯茎がうずく、腫れる
歯が完全に割れる前は違和感やうずく感じがします。
歯が割れた隙間から細菌が入り、歯茎が腫れることがあります。
また、根の先に膿の袋(歯根嚢胞)ができ出てきた膿が歯茎に穴を開けて出口を作りおできのようなもの(フィステル)ができる場合があります。
③歯が動揺する
歯が割れると、割れた部分が動いてしまい、歯がグラグラしてきます。
◆歯根破折の原因
①転んだ、ぶつけたなどの外傷が原因で、強い力が前歯にかかることによって割れることがあります。
①歯根破折を起こす歯は、ほとんどが歯の神経を失ってしまった場合です。歯の神経を治療する為に、歯の噛み合わせの部分に大きな穴が空いているので歯の強度が弱くなります。また、神経を失った歯は歯質がもろくなり割れやすくなってしまいます。
②大きな虫歯などで神経を失った歯は、冠を入れる前に歯の形を整える為に支柱となる土台を入れ、その上から冠が入ります。通常、この土台(コア)は硬い丈夫な金属で作られます。ところが、この硬い金属が仇となって、噛む力が柔らかい歯質にとっては、くさびの様に働いて歯を割る力になってしまいます。
ファイバー繊維の芯と強化プラスチックの土台を入れ、歯と土台を一体化させることによって歯を割れにくくすることが歯根破折の予防になります。
③歯が動揺する
歯が割れると、割れた部分が動いてしまい、歯がグラグラしてきます。
④歯ぎしりや食いしばりにより歯に強い力が持続的にかかるため神経がある歯でも歯が割れてしまうことがあります。
歯科衛生士 石川